文化財の修復を専門に手掛ける修美（京都市）は国宝や重要文化財を含めてこれまで500件以上の修復に携わってきた。いま手掛けているのが、同社のベテラン技師でも初めてという、海水につかってしまった古地図の修復だ。地図に付着した海水の塩分を取り除く必要があるため、古地図を特殊な紙で保護したうえで何回か水道水に浸すという作業を実施。浸した水の塩分濃度が普通の水道水と同じになるまで繰り返す。同社の技師は、修復作業で重視するのは勘ではなくデータだと話す。修美は20人以上の技術者を抱えており、熟練の匠（たくみ）と若手が一緒に仕事をするようなシフトを組むなど、後進の育成にも力を入れている。