和歌山県の伝統工芸品、棕櫚箒(しゅろぼうき)。ヤシ科の常緑樹であるシュロの皮をホウキの穂先に使っている。穂先の毛は天然素材のなかでも繊維が細くてしなやか。また、穂先の密度が高く、支えがなくてもホウキが立つほど。このため細かなチリまで集められる。産地では近年、後継者難に悩んでいたが、工房の深海産業(和歌山県海南市)では長年の経験を持たなくてもよいように、製造工程に独自開発の器具を導入。また、毛には特殊な加工を施して抗菌性や滑りの良さを向上させるなど、工夫を凝らす。地元の漆器の工房と手を組み、持ち手に漆塗りのデザインを加えた製品も開発。1本7万円以上の商品もあるが、インテリアとしての魅力も加えることで将来の海外市場開拓を見据えている。
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