普通の段ボール箱は作らない――。香川県の段ボール製品メーカーのFUJIDAN（東かがわ市）がユニークな発想で市場を開拓している。段ボールといえば引っ越しの箱という軽いものを運ぶイメージだが、同社は数トンという重さに耐える特殊強化段ボール素材で運搬物に合わせて自在に設計し、包装資材に仕上げるのが強みだ。

重要物の搬送はこれまで木箱が使用されてきたが、段ボールなら軽量で複雑な形状にデザインすることができるうえ、リサイクルもしやすい。輸送コスト面からも評価されて需要が広がっている。一般的な段ボールのイメージを超える「面白い」と思える発想で需要を開拓する経営方針で、差別化の難しかった業界で付加価値の向上につながっている。