食品業界における商慣習には、製造日から賞味期限までの期間の3分の1を過ぎると小売店に納入しないなどの「3分の1ルール」がある。このため、この期限を過ぎたという理由から廃棄予定となってしまう商品は多い。2018年設立のロスゼロ（大阪市）はこうした商品を食品メーカーなどから仕入れ、3000人以上の顧客へ宅配するサブスクリプションのサービスを手掛ける。いろいろなメーカーの商品を一緒に入れて福袋のような形で届けるので個別商品の値引き率がわからず、食品のブランドイメージ低下につながりにくいという利点がある。現在、東京海上日動火災保険と組み、ロスゼロに買い取ってもらうことになった場合の価格と当初想定の販売価格との差額分を補償する保険商品の開発を進めている。店頭に並べられなくなった食品が少しでも多く消費者に届くようなビジネスモデルにすることで、食品ロスの削減につなげようとしている。